2024年 10月2日 突然天国へ 34歳
前日の朝はいつも通り午前中の放牧時間を過ごしましたが、昼飼いは少しつまんで残していたので、涼しくなってきて気が抜けたかな?(例年のこと)と思っていました。
その後の夕方の飼いも口をつけずにボーっと立っていたので、気を引くような工夫を様々していたのですが、翌朝飼いの時間には、旅立った後でした。
部屋には暴れた様子もなく、推測するに座ったのちに寝っ転がり、そのまま静かに逝ったのではないかと。老衰、それもギリギリまで立ち続け、誰にも迷惑をかけることなく、凛々しきガリバーらしい最期でした。
以下、生前に記載していたものを記録として残しておきます。
【名前】ユーワ・ガリバー 【愛称】ガリバー
【生年月日】1990年4月5日 【性】騸(去勢した牡馬)
【品種】サラブレッド 【毛色】鹿毛
【出生地】北海道 浦河町
【父】ダイナガリバー 【母】カミノイナズマ
■□半生紹介□■
1993年1月 4歳新馬戦で中央平場(中山)デビュー(2着)。
1994年には障害競走に転向するも、骨折を理由に引退に追い込まれます。通算成績は24戦2勝。
しかし、実際には骨折はしていなかったのです。幸運にも一口馬主の中に馬の愛護団体である「いななき会」の会員がおり、骨折もしていないのにギプスを巻かれ、無理に引退させられるような状態のガリバーを「いななき会」で引き取ることになりました。
いななき会で引き取られた後も、栃木、高知、千葉と転々とし、2002年より当牧場へ。
賢い馬で、乗馬経験の浅い人が騎乗すると、障害の目前で拒止(急停止)し、騎乗者を試すような所があったとのこと。逆に、しっかりと乗馬ができる人にとっては、力もあり、従順な良い馬だったそうです。
当牧場に来たばかりの頃はかみつくふりをしてみたり、やんちゃな面もありましたが、年とともに穏やかになってきました。
ガリバーが現役だった当時は、動物愛護の思想が広まり切っておらず、馬への虐待事例も多かったり、競走馬の扱いもはかないものだったようです。ガリバーのように、怪我をしたように装って処分された馬は少なくないかもしれません。
「マリー」という牝馬にお兄ちゃんのように慕われ、いつも寄り添っていましたが、メラノーマ(癌)によってマリーは先に天国へ。マリーの死後はしばらく落ち込んでいたガリバーですが、苦しい中でも懸命に生きることをあきらめなかったマリーの分まで、頑張って生きていくガリバーなのです。